2月9日に開幕する平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)のフィギュアスケート男子で、羽生結弦(23=ANA)宇野昌磨(20=トヨタ自動車)の最大のライバルとされているのが、“4回転時代の申し子”ネーサン・チェン(18=米国)だ。

2017年のグランプリシリーズ第1戦・ロシア杯で優勝したネーサン・チェン(中央)は、2位の羽生結弦(左)、3位ミハイル・コリヤダと記念撮影(2017年10月22日)
2017年のグランプリシリーズ第1戦・ロシア杯で優勝したネーサン・チェン(中央)は、2位の羽生結弦(左)、3位ミハイル・コリヤダと記念撮影(2017年10月22日)

 昨季シニアデビューすると、ジャンプ技術の高さで一気に世界のトップに駆け上がり、金メダル候補に名乗りを上げた。1月の全米選手権でもフリーで3種類の4回転ジャンプを5本成功し、圧倒的な強さで初の五輪出場を決めた。

 まだ誰も跳んだことのないクワッド・アクセル(4回転半)を除く4回転の6種類中5種類を跳べる唯一の選手。五輪でどんなジャンプを何本跳ぶかは今のところ不明で、楽しみでもあり、不気味でもある。

2017年グランプリファイナルの男子SPで首位に立ったネーサン・チェン(2017年12月7日)
2017年グランプリファイナルの男子SPで首位に立ったネーサン・チェン(2017年12月7日)

 そんなチェンのライフスタイルや1日の食生活について、五輪を中継する米NBCテレビが特集した。その一部を紹介しよう。

「食事は母親任せ」

 リンク内外で1日平均4、5時間のトレーニングを行っているというチェンは「まだ若いので、食事は母親任せ」と、食生活で特に厳しい制限を設けていない。食事は基本的に朝晩の2回だが、1日に何回も少量の補食を摂り、体を動かすためのエネルギー源としている。

<チェンの1日の食事内容>
朝食
 スムージー、卵のラップサンド、ヨーグルトなどが中心。

(朝8時40分にはスケートリンクに到着してウオーミングアップを始める)

日中の補食
 色々な種類のミートサンドイッチ、プロテインシェイク、ヨーグルト、フルーツ、炭水化物を使ったスナックなどを細かく摂取。

夕食
 米、パスタ、ヌードル、パンなどの炭水化物。魚や赤身肉、チキンなどのタンパク質を中心したメニュー。野菜、時々スープ。

その他の補食
 必要に応じてヨーグルト、フルーツ、シリアル、プロテインシェイクを摂る。

 「もし許されるならデザートを食べたい」とチェンは語る。体重管理が必要だが、実はハーシーズのチョコレートが大好物と甘いもの好き。寿司など日本食も大好きで「食べることは生活の中の楽しみの1つ」と話している。しかし今は、金メダル獲得という大きな夢に向けて、節制を続けている。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】

 ◆ネーサン・チェン 1999年5月5日、米ソルトレークシティー生まれ。3歳で競技を始める。移民である中国人の両親のもとに生まれ、3歳でスケートを始めたほか、体操やバレエにも取り組んだ。15年ジュニアGPファイナル優勝。17年4大陸選手権優勝。17年GPファイナル優勝。自己ベストはSP104・12点、フリー204・34点、合計307・46点。趣味はサイクリング、読書。166センチ。