<レスリング:東京五輪予選兼世界選手権>◇第5日◇18日◇カザフスタン・ヌルスルタン◇女子76キロ級
女子76キロ級の皆川博恵が重量級では06年大会の浜口京子以来の決勝進出を決め、五輪切符をつかんだ。
準決勝はエストニア選手に強気の展開。豪快なタックルで4点を奪うなど快勝した。日頃から男子校に通い、女子に負けじと本気で攻めてくる高校生と鍛え上げたパワーを発揮。「家族全員のサポートに感謝したい」と観客席に手を振った。
17年11月に大学までレスリング経験がある拓也さんと結婚し、「鈴木」から「皆川」に。手厚いサポートを受け、料理も用意してくれる。毎食でるみそ汁は「めっちゃ好きだけど、味が濃い。東北の人なんで。『死ぬよ、濃いよ』って言っちゃう」のは愛嬌(あいきょう)。感謝は尽きない。
遅咲きの地道な32才は、長く浜口の2番手で届かなかった舞台についに届いた。「これで厳しい生活になる。またお願いします」。愛する夫に、柔らかくほほえんでお願いした。
(2019年9月18日、ニッカンスポーツ・コム掲載)