U-22日本代表MF堂安律(PSV)が、東京オリンピック(五輪)世代にA代表魂を注ぐ。

12日、キリンチャレンジ杯U-22コロンビア戦(17日、Eスタ)に臨むため帰国し、広島に入った。17年のU-20ワールドカップ(W杯)韓国大会以来となる東京五輪世代の代表活動。A代表が主戦場だった21歳は、日本代表DF吉田、長友らベテランの背中から学んだコミュニケーション術で「金メダル」への一歩を踏み出す覚悟を示した。MF久保建英(18=マジョルカ)もスペインから帰国した。

U-22日本代表の活動のため帰国したPSVのMF堂安
U-22日本代表の活動のため帰国したPSVのMF堂安

堂安は広島の宿舎入り後、13日からの練習合流に向け別メニューでコンディションを整えた。2年ぶりの東京五輪世代での活動に、リーダーの自覚がしっかり芽生えていた。森保監督が「現時点のベストメンバー」と招集した22人には、U-20W杯韓国大会から新しく加わった仲間もいる。6日間の貴重な合宿に「知らない選手もいるので、まずは相手を知ることが大事。オフ・ザ・ピッチも大事になってくる」と指摘した。

堂安は19年9月の森保ジャパン発足以来、A代表に名を連ねてきた。A代表の食事時間に目の当たりにしたのは、DF吉田麻也(31)、長友佑都(33)らベテランが常にテーブルを替え、若手選手と積極的に話している姿だった。その立ち居振る舞いを間近で見てきた堂安は「食事のところでは、今まで話したことがない選手と(同席しようと)思っています」と、先輩から学んだことを実行するつもりでいる。「すべてまねするわけではないですけど、こういう小さなことが、本当に、大きな金メダルという目標に近付いていくと思う。そういう意識はしたい」と力強かった。

17日にU-22コロンビア代表との試合が控える。東京五輪に向けた競争の始まりでもある。「サバイバルもありながら、結束力を高めていく。難しい雰囲気にはなるとは思いますけど、僕はチームが良くなるために、厳しいことをどんどん言っていきたい」。堂安がA代表魂を注入することで、森保監督が掲げるA代表と東京五輪世代の「融合」がピッチ内外で加速することになりそうだ。【岩田千代巳】

(2019年11月12日、ニッカンスポーツ・コム掲載)