大相撲の元関脇豊ノ島さんのトークイベント「豊ノ島の部屋」(日刊スポーツ主催)が、9月28日にミクサライブ東京(池袋)で行われた。8回目となる今回のゲストは、同月26日に佐渡ケ嶽部屋からの独立と部屋の新設が承認された秀ノ山親方(元大関琴奨菊)。同学年で、しのぎを削ってきた盟友をゲストに、現役時代の思い出、独立に込めた思いなどを深掘りした。

高知県宿毛市出身の豊ノ島さんと、同じ高知・明徳義塾中、高に相撲留学した秀ノ山親方。今回のイベントには2人の共通点でもある高知県にある〝ゆずの村〟「馬路村農業協同組合」が特別協賛。豊ノ島さんが幼少期から愛飲しているゆずのドリンク「ごっくん馬路村」での乾杯や、ギフトセットの提供などでイベントを盛り上げた。

トークイベント「豊ノ島の部屋」で秀ノ山親方(右)とともにごっくん馬路村を乾杯する豊ノ島さん
トークイベント「豊ノ島の部屋」で秀ノ山親方(右)とともにごっくん馬路村を乾杯する豊ノ島さん

豊ノ島さんが「青春の味」と語る「ごっくん」。イベント後に、あらためてその魅力や思い出を聞いた。

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ごっくんが販売開始されたのは1988年(昭63)。83年生まれの豊ノ島さんにとって、物心ついた時から生活の中にある味だったという。

「季節関係なく、家の冷蔵庫には常に何本かありましたね。4人兄妹だったのですが、僕は1日1本では足りなくて…。こっそり、2本飲むぐらい好きでした」

ごっくんの原材料は馬路村が全国に誇る「ゆず」と、はちみつ、水のみ。香料、保存料、添加物を使わず、ゆずの優しい酸味とはちみつが引き立つ味は、時津風部屋に入門後も豊ノ島さんを支えた。

「暑いときも一気に飲めますし、とにかく味が好きなんですよ。変な甘ったるさがなくて、飲んだ後も爽やかな感じがしますし、この感覚はごっくんにしかないですね。現役時代も高知に行ったら必ず飲んでいましたし、地元の人が東京に送ってくれたり。良いときも悪い時も、原点を思い出させてくれる味ですね。引退した今は、ゴルフの後に最高です(笑い)」

馬路村農協がごっくんの製造を開始したのは「自分の子どもに飲ませたいジュースをつくる」という思いだった。それは、父となった豊ノ島さんにもつながっているという。

「娘が好きなんですよ。冷蔵庫を見て『あと2本しかないよ』とか言われると、すごく飲みづらいですよね。娘が喜んで飲んでいる姿はうれしいですし、(レスリングの)吉田沙保里さんのお母さんが気に入ってくれたり、相撲関係者にもファンが多いんですよ」

豊ノ島さんの「青春の味」、ごっくん馬路村
豊ノ島さんの「青春の味」、ごっくん馬路村

人口約800人の馬路村は、高知と徳島の県境にあり、面積の96%を森林が占めている。川にはアユやうなぎが生息する自然豊かな山村で、190戸の農家がゆずの栽培に従事。農協と力を合わせて生産から加工、販売までを手がけている。10月末から11月にかけては、いよいよゆずの収穫のタイミングになる。

「同じ高知でも、宿毛から馬路村に行くのはかなり遠いので、まだ行ったことがないんです。こういった機会もいただいていますし、ぜひ一度行ってみたいですね。鍋も馬路村のぽん酢を使わせてもらっていますし、自分が大好きなふるさとの味を、これからも広げていきたいと思います」

イベント会場での馬路村農協販売ブース
イベント会場での馬路村農協販売ブース

◆馬路村 「ゆずの村」となったきかっけは、昭和30年代。それ以前は林業がさかんだったが、価格低迷など行き詰まりを見せ始めたため、いちるの望みをかけてゆずの栽培がスタート。果汁を使った飲料など加工品の開発も積極的に行い、昭和50年代に通信販売に大きくかじを切ったことで、全国に名前が広がっていった。看板商品のゆず飲料「ごっくん馬路村」やぽん酢は、全国にファンがいるロングセラー商品となっている。馬路村農協の合言葉は「村の中でゆずを余さず使い切る」。果汁や皮は、ぽん酢やジャム、ゆずこしょうなどに加工し、種から抽出したオイルをベースにしたスキンケアアイテムも開発。現在は85種類ほどのアイテムを展開している。
商品など詳細は馬路村農協HPから。

◆豊ノ島 本名・梶原大樹。1983年(昭58)6月26日、高知県宿毛市生まれ。現役時代は168センチ、158キロ。宿毛高から02年初場所初土俵。04年夏場所で新十両、同年秋場所で新入幕、07年夏場所では新三役の小結に昇進。最高位は関脇。通算成績は703勝641敗68休。三賞は殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞4回。金星4個。各段優勝は序ノ口1回、序二段1回、十両2回。