昨年、バレーボール男子日本代表に選抜され、主砲としてアジア大会で銅メダル獲得に貢献した高橋慶帆(21)は、そのルックスも注目を浴びて世界中にファンが増えた。本人は穏やかな性格でいわゆる「イケイケ」ではないが、その容貌が彼を放置してくれない。昨年の代表活動後に法大が関東1部リーグに昇格するための入れ替え戦でも活躍。青山繁さんや大竹秀之さんらを輩出した名門の復活の原動力となった。

イラン人の父と日本人の母を持ち、ペルシャ語の「世界」という意味の名前をつけられた。「今は文字通り『世界』で通用するように頑張っています」と微笑む。

大塚達宣やエバデダンラリーのように在学中からVリーグDIVISION1のジェイテクトSTINGSに加入。今年度も代表に選ばれて韓国での大会に出場した。代表活動後は、昨年は宮浦健人、甲斐優斗がプレーしたパリ・バレーでプレーする。【聞き手・中西美雁】

イラン人の父と日本人の母を持つ高橋慶帆
イラン人の父と日本人の母を持つ高橋慶帆

--まず今の食生活について

今は基本的にご飯の量をはかるようにしています。今日はちょっと動いたからちょっと多くしようとか。夜は結構多くしやすいので、家で自炊することもありますね。大学にいるときはほとんど家で自炊をしています。外食する時もありますけど。

あとは、タンパク質の摂取も考えています。1人暮らしだとどうしても何品もつくるというのは難しいので、お肉だけでなくて、納豆とかで、ちょっとプラスしたりします。買ってすぐ、そのまま使えるものを使ったりして、うまくタンパク質を取るようにはしています。

--代表チームのときは

代表チームでは、食事を出してくれるので、それをきちんととるように意識していますね。栄養についての学びもあります。

ジェイテクトでプレーする高橋
ジェイテクトでプレーする高橋

--柳田将洋選手が海外だとアルファ米をいっぱい食べると言っていました

アルファ米は、自分も食べました。海外は食事の事情が結構変わるので、そこでちょっと体重が減ることもあるんですよね。そういうときにうまくコントロールするために手軽に取れるアルファ米を自分でも持っていきました。

--今好きな食べ物、嫌いな食べ物は

以前は牡蠣が嫌いだったんですよ。食わず嫌いで、母が嫌いだったので食べる機会がないままきてしまいましたね。あるとき、食べないといけない状況になって口にしたら案外いけました(笑)。そのあとはこれといって苦手なものはない。

--好きなものは?

自分の好きなものはピザ。

--おふくろの味を教えてください

餃子ですかね。バランスいいですよね、餃子って。炭水化物もタンパク質もとれるし(笑)。うちの餃子は中身がパンパンにはいって、みっちりしてます。形は普通の餃子なんですけどね。あとは母が作るペルシャ料理。

--お母様は日本人なんですよね?

はい。でもペルシャ料理も作ってくれます。すごくおいしいですよ。父が母に教えて作ったり、父方の祖母とかが日本に来たときに教えてくれたり。それと、イランの漬物みたいなのがあって、お酢で漬けてあるんですが、ニンニクをちょっと刻んで入れるとパンチがあります。それが多分、他の家庭とちょっと違うのかなと。

--ジュニアアスリートに食についてアドバイスを

自分自身ほとんど好き嫌いがありません。食わず嫌いだった牡蠣も大人になって食べられるようになりました。大人になれば食べられるものも増えるので、成長期にはバランスよく食べることをおすすめします。世界で戦うことを考えたら、食事でキャパシティがある方が絶対有利ですしね。競技に真剣に取り組み始めたら栄養についても勉強するのがいいと思います。

高橋慶帆(たかはし・けいはん) 2003年10月13日生まれ、千葉県旭市出身。法大/パリ・バレー。ポジションはアウトサイドヒッター(OH)、オポジット(OP)。
イラン人の父と日本人の母の間に次男として誕生。小学2年からサッカーをしていたが、ケガをきっかけに中学2年でバレーに転向した。市立習志野高校に進学。高校時代は3年連続で春高バレーに出場。法大経営学部に進学。2023年度バレーボール日本男子代表に選出され、FIVB男子バレーボールネーションズリーグの日本代表登録メンバーに選出された。その後、アジア競技大会に出場。2023年11月15日、ジェイテクトSTINGSへの入部が発表された。ジェイテクトにとって大学4年生内定選手以外の現役大学生との契約は初である。2023年度に引き続き2024年度バレーボール日本男子代表登録メンバーに選出された。日本代表Bチームにオポジットとして選手登録。2024年9月12日、フランスリーグ・リーグAチーム、パリ・バレーへの入団を発表した。194cm、83kg、O型。