アスリートのバランスの良い食事の基本は「主食+主菜+副菜+果物+乳製品」を整えることだと、過去3回のコラムでお話ししました(以下参照)。

 主食+主菜+副菜を揃えるのは一般の人でも同じですが、運動やトレーニングによる身体活動量が多いアスリートは、特に乳製品や果物を毎食食べることで、不足しがちなエネルギーや栄養素をバランスよくとることができます。特に乳製品は、成長に必要な良質なタンパク質と骨づくりの材料であるカルシウムがバランスよく含まれるため、成長期のアスリートにとっては欠かせません。

 日本人が不足しやすい栄養素の1つ、カルシウムは、体内にある99%が骨や歯の構成成分。残りの1%はからだ全体にあり、筋肉の収縮や神経に情報を伝える役割をしながら、生命活動を維持しています。

 特に高校生以降では、学校給食がなくなり、牛乳を飲む頻度が減ることで、カルシウム摂取量が減るといわれています。弁当持参の小中学校に通っている児童も同様です。特に、運動部に所属する子どもには、弁当にパックの牛乳やヨーグルトをプラスすると良いでしょう。

 日本人の食事摂取基準2015における「1日にとるカルシウムの推奨量」は下記の通りです。身長が伸びる時期に多く必要な栄養素なので、成長期のアスリートは意識して乳製品をとりましょう。

<1日にとるカルシウム推奨量>
 年齢=男性、女性
 8~9=650、750
 10~11=700、750
 12~14=1000、800
 15~17=800、650
※単位はmg
※日本人の食事摂取基準2015より抜粋

アスリートミルク寒天
アスリートミルク寒天

 今回のレシピは、カルシウムたっぷりの「アスリートミルク寒天」を紹介します。低脂肪乳にスキムミルクを加えることで、味にコクが増すのと同時にタンパク質やカルシウムを補強できます。食べ応えがありますが、1人前80kcal程度で、タンパク質が7g、カルシウムが230mgも含まれているため、減量中のアスリートにもおすすめです。

 甘味を加えていないので、好みに合わせてフルーツや黒蜜、はちみつと一緒にとるといいでしょう。ゼリーに甘味を入れるよりかけた方が、より少量でも甘味を強く感じることができます。おすすめは黒蜜で、大さじ1/2で20kcalほどです。