先日、以前アスレシピでもご紹介した沖縄のラグビースクール「デイゴ ラグビースクール(銘苅信吾代表)」で、「練習後の補食」をテーマに調理実習として「おにぎらず作り」を行いました。2カ月ごとにオンラインでセミナーや演習を行ってきましたが、今回は対面での講習でした。

デイゴ ラグビースクールの選手、スタッフと金子さん(中央)
デイゴ ラグビースクールの選手、スタッフと金子さん(中央)

対象は小学1年生から中学3年生約60名。セミナーの流れは下記の通りで、練習後に自分で作った「おにぎらず」の補食を食べる流れです。

・ミニ栄養セミナー&調理実習の説明
・調理実習「おにぎらず」を作る
・グラウンドに移動して練習
・自分の作ったおにぎらずの喫食

セミナーの様子
セミナーの様子

作ったものは「試合に持っていきたいおにぎらず」をベースに、具材を沖縄の食材にしたものです。

中学生の保護者が朝早くから集合して具材を準備し、お米は地元の又吉農園から提供いただいた新米を使用しました。

提供いただいたお米
提供いただいたお米
実習用のお米を提供してくれた又吉農園の挨拶
実習用のお米を提供してくれた又吉農園の挨拶

セミナーで練習後に補食を食べる大切さや、「糖質+たんぱく質」を組みあわせるのが良いと伝え、おにぎらずは「必ず野菜グループ(副菜)から2種以上入れること」とルールを決めました。

<おにぎらずの具材>
主菜(たんぱく源)グループ=ポーク、卵焼き、(チーズ)
副菜グループ=ニンジンしりしり、ニガナの炒めもの、ゴーヤーチャンプルー、レタス・キュウリ

おにぎらず作りは、1人分ずつのご飯と紙皿を持って長机に一列に並んだ具材の中から、順番に移動しながら具材を選んでいきます。小学1年生から始めましたが、中学生や小学6年生が自然とお皿を配ったり、誘導したり低学年をサポートする様子が印象的でした。出来上がったら、シールに名前を書いておにぎらずにはっておき、練習後にグラウンドで皆一緒に食べました。

出来上がったおにぎらず。自分で名前シールを貼りました
出来上がったおにぎらず。自分で名前シールを貼りました

完成したおにぎらずを見ると、具材がはみ出そうなものや、なぜか台形に近い形などいろいろありましたが、選手たちはみんな自分で作った補食をおいしそうに食べていました。ご飯は1人分160gで具材を含めると1個480kcal。たんぱく質も20g程度ありますが、低学年の選手もぺろりと食べきっていました。

練習後に食べたおにぎらずの断面
練習後に食べたおにぎらずの断面

沖縄と言っても、ニガナやゴーヤーを家でも食べ慣れない子どもたちもいたようですが、「苦いのがある!」と言いながらもしっかり食べていたのが印象的でした。最後のあいさつでは中学3年生のキャプテンの金城優英(きんじょう・ゆえい)君がお礼の言葉とともに、この実習を総括してくれました。

おにぎらずを持って全員集合!
おにぎらずを持って全員集合!

コーチや保護者、地元農家との連携で実現

私自身は関東在住のため、この栄養講習(調理実習)を行うにあたり、コーチと保護者、地元農家さんと連携しながら準備をし、当日は有志の保護者の方が早めに集まり具材の調理や炊飯を行いました。ゴーヤーやニガナを食べやすいようにしっかり塩もみをして絞ってから炒めるのがコツで、手際よく大量の調理を行いなってくれました。そのおかげで、事前に作成したスケジュール通りに実習、練習、喫食を行うことができました。

練習後、コーチ陣がおにぎらずを配布しました
練習後、コーチ陣がおにぎらずを配布しました

対面ならではの調理実習で、自分で作った補食を練習後に食べるという一連の流れを実践できました。早速「次の日に自宅で作った!」という報告も届き、うれしく思っています。

管理栄養士・金子香織