前回のコラムでは、食中毒は家庭で最も起きやすいという話をしましたが、今回は「家庭での食中毒を防ぐポイント」をお話しします。食中毒予防の3原則は、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」ですが、そのために何をすべきか、買い物から家庭での保存、調理、後片付けまで順を追って見ていきましょう。

家庭での食中毒を防ぐポイント

①食品の購入
・消費期限を確認する
・買い物した後は早めに帰る
・保冷剤も持って買い物に行く
・肉、魚と野菜など食材は分けて運ぶ

②家庭での保存
・帰ったら冷蔵庫、冷凍庫に入れて保存する
・冷蔵庫は満杯にせず7割程度に
・冷蔵庫の温度は10度以下、冷凍庫は−15度以下にする
・肉や魚の汁が漏れないようにする

③下準備
・こまめな手洗い
・タオルや布巾は清潔なものを使用する
・使用後の調理器具は熱湯消毒が望まれる
・魚や肉の汁が他の食材に飛び散らないようにする

④ 調理
・作業前には手洗いする
・加熱は十分にする。特に肉、魚は中心温度75度を1分以上
・電子レンジを使うときは均一に加熱する

⑤食事
・食事前には手洗いする
・食事を長時間室温に放置しない
・盛り付けは清潔な器具や食器に

⑥残った食品
・残った食品を扱うときも手や器具は清潔に
・時間が経ちすぎたものや危ないと感じた食べ物は食べずに捨てる
・温め直しも十分に加熱する

上記のどれも大切ですが、特に下準備における「魚や肉の汁が他の食材に飛び散らないようにする」などは見逃しがちです。サラダなど調理済みのメニューや、加熱せずに食べるメニューの近くに生の魚や肉を扱わない。どうしても扱わざるを得ないときは、汁やその汁がついた調理器具の扱いに注意しましょう。

今回は「トマトとモズクのあえ物」を紹介します。切って調味料にあえるだけの火を使わないメニューで、暑い夏に喉越しよくさらっと食べられます。

管理栄養士・舘川美貴子