<アスレシピ特派員紹介>
特派員、認定アンバサダーの平井亜美さんは、看護師として働きながら、陸上を頑張る息子さんをサポートしてきました。看護師やアスリートフードマイスターとしての知識に加え、アーユルヴェーダの考え方も日々の食事に取り入れています。詳しくお話を聞きました。【聞き手=アスレシピ編集部】
1人1人違う、体質や気候を考慮した食材選び
現在息子さんは大学2年生。中学から陸上を始めたそうです。
「中学校に入って部活を決める際、野球やサッカーは小学校からやっている子が多く、球技も苦手。それで陸上を選んだようです。本人も小1から毎年札幌マラソンには出場していましたし、私はランニング、私の父もずっとマラソンをしていて、小さい頃から応援に行くのが当たり前の環境だったことも影響したかもしれません」。
種目は400、800mの中距離。食事を気をつけるようになり、成績がどんどん上がりました。
「他の子と比べて、やや食べる量が少ないかなと思ったことが、食事を見直すきっかけでした。アスリートフードマイスターや看護師としての知識に加え、アーユルヴェーダの考え方も取り入れて食事を用意していました。成績が上がったのは本人の努力が一番ですが、食事は親としてできる重要なサポートのひとつだと思います」。
アーユルヴェーダに目を向けたのは、世の中にあるさまざまな健康法が全ての人に合うわけではないと思ったからだと言います。
「アーユルヴェーダでは、体質によって向く食材が皆違います。地元でとれる季節のものを食べることが一番良いとされており、その日の天候や体の状態などを考慮して食材を選択します。息子にも無理に食べさせるのではなく、本人が食べたいと言うものから、体の状態に合うものを選ぶようにしていました」。
息子さん自身は高校生の時、陸上部の卒業生で管理栄養士になった先輩から食事指導を受けていました。
「食べたものを書いていって、アドバイスをもらっていました。競技のこともよくわかっている先輩なので、すごく勉強になったと言っています。今でもその知識が役立っているようです」。
保護者同士でも、食事に関する悩みをよく耳にしました。
「食事に気をつけている方が多かったのですが、皆さん、野菜をもっと食べさせるにはどうしたらいいかと悩んでいましたね。肉ならどーんと焼くなどできますが、野菜料理は下処理に手がかかりますし、レパートリーも少ない。それもあって、アスレシピに投稿するレシピは『季節の野菜を使った簡単に作れるもの』を意識するようにしています」。
息子さんは食べる量は多くなかったものの、好き嫌いはなかったそうです。
「息子は野菜もよく食べてくれましたが、主食が少なく油が多いと言われていました。なので、例えば夕食のメインがトンカツの日は、野菜にも衣をつけて一緒に揚げて出す代わりに、朝食の野菜炒めは蒸し野菜に変更するなど調整をしていました」。
息子さんは現在、1人暮らしで自炊をしながら競技を続けています。
「大学入学当初は食事付きの下宿に入っていたのですが、野菜がもっと食べたいからと出てしまったんですよ。家にいる時は一緒にキッチンに立つこともありませんでしたが、息子いわく『家庭科は得意』だとか。いろいろ工夫して作っているようです」。
平井さん自身の生活にも、アーユルヴェーダの知識が生かされています。
「例えば、辛いものが食べたくなった時は、なぜそう思うのかと考え、その気持ちを落ち着けるような季節の食べ物(体を冷ますようなもの)を食べるようにしてバランスを取っています。食べたいと思った時にすぐに食べてしまうと、もっとその性質が強まってしまうからです。でも、3日たってもまだ食べたかったら食べます(笑)」。
これからの季節におすすめのレシピを1つ教えていただきました。
「以前、記事でも調味料で作るうがい薬を紹介しましたが、もし作り置きしておくことができるなら、スパイスのクローブをホールで5粒くらい、水のボトルに入れておくのがおすすめです。1~2日置くとだんだん茶色くなってくるので、これでうがいをするとのどがとてもスッキリします。味が嫌いでなければ飲んでもいいですよ」。
最後に、アスレシピを見ている保護者の皆さんにメッセージをお願いします。
「私は、子どもが『食べたい』というものに寄り添うことが大切だと思っています。親側が食べさせたいものとかみ合わないこともあると思いますが、子どもも食べたくないものを食べるのはイヤだと思うので。食べられるものの中から、目的に合うものを見つけていけるといいですよね」。