ビタミンCは、菓子や食品にも添加されている水溶性のビタミンです。化学名はアスコルビン酸で、黄色く酸味があります。

 ビタミンCは皮膚や細胞にあるコラーゲンの合成に必要で、丈夫な血管や強靱な筋肉を作るためには欠かせません。また、ビタミンEと協力して活性酸素を除去する抗酸化作用があります。その他、鉄の吸収を助ける、メラニン色素(しみ)の沈着を防ぐ効果もあります。

 ストレスがある場合、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンが分泌されますが、これらが作られる時にたくさんのビタミンCが消費されます。試合の時など強いストレスを受ける時は、必要量が増えます。また、たばこを吸う人、受動喫煙をしてしまう人も血中のビタミンC濃度が低下するという報告があるので、より多く摂取した方が良いでしょう。

 欠乏すると、コラーゲンの合成ができなくなり、血管がもろく、出血しやすくなり、壊血病を発症します。疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮膚や歯ぐきからの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などの症状が表れます。

 成人の場合、1日100mgの摂取が推奨されていますが、それ以上摂取しても尿中から排泄されてしまうため、過剰摂取による過剰症の報告はありません。

 ただし、美容や健康のため、ビタミンCのサプリメントの使用や、ビタミンC注射をする人がいますが、腎障害がある人が多量のビタミンCを摂取した場合、腎シュウ酸結石のリスクが高まることが報告されています。1日に3~4g以上摂取すると、一時的に吐き気、下痢、腹痛が起こる場合があります。サプリメントを使用する場合、1g/日以上の量を摂取しても意味がないため、1g/日までの摂取が推奨されています。【管理栄養士・今井久美】

参照:日本人の食事摂取基準2015年度版