スポーツの競技や種目によって、適正体重や体脂肪率が異なります。
新体操などの審美系やマラソン選手はやせていることが多いですし、ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツは、ある程度の体重がないとぶつかった時に負けてしまいます。体脂肪率が低く、筋肉量が多い選手が多数いる中で、水泳選手は水に浮きやすいように、他の種目より体脂肪率を高めにコントロールしているようです。
骨を太く強く、臓器の機能を成長
少しでもパフォーマンスを上げるため体を作ろうと、頑張って食事をしているジュニアアスリートと、彼らを支える保護者や指導者がこのコラムを参考にしていると思いますが、成長期で最も優先すべきことは、体を発育させることです。まずは体を大きく、骨を太く強く、臓器の機能が一生働くように成長させましょう。
競技や種目に合った体格を意識するのは、それからで十分です。成長期にダイエット経験が多いほど、骨密度が低いといった報告もあります。かつては、力士は平均寿命が短いというデータもありましたが、最近では現役引退後に体重を減らし、健康を意識している方も増えてきました。
10代は一生使うための健康な体を作る時期
成長期の10代は、一生使うための健康な体を作る大切な時期。このことを意識して食事をし、身長と体重が順調に増えているかを、定期的に測定して確認しましょう。
また、時間がない中でたくさん食べようとして、早食いになる人もいますが、早食いの習慣は一度ついてしまうと、なかなか変えられません。この時期に、食習慣や食事のマナーをしっかり身につけましょう。
成長期が終わり、運動をやめてからも健康を維持し、適正体重を自分でコントロールできるようになってもらいたいですね。運動をきっかけに、食事や栄養に関心を持つ人も多くいます。パフォーマンス向上だけでなく、「健康」も目的に食事をとってくださいね。
【管理栄養士・今井久美】