「日本人の食事摂取基準」が4月に改訂になるにあたり、1日の食塩相当量の目標量がさらに引き下げられます。食塩の目標量は1日当たり18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満、小児の場合はさらに少なくなります。

塩分の摂取量は年々減少傾向で、食品加工技術の進歩によって食材中の塩分も減っています。しかし、日本人の塩分摂取量は少ないわけではなく、世界保健機関(WHO)が推奨する成人1日5g未満に比べると、2倍近い量の塩分を摂っています。

そんなに塩辛いものは食べてないし、味付けも濃くないのにそんなに塩分を摂っているの? と思う人も多いでしょう。塩分の摂取量の3分の2は調味料からで、残りの3分の1は食品の中に含まれる塩分なのです。

意外に塩分の含有量が多い食品(食塩相当量)

 明太子1個(35g):2.0g
 塩タラ1切れ(80g):1.6g
 食パン6枚切り1枚(60g):0.8g
 ハム2~3枚(30g):0.8g
 コーンフレーク1人分(40g):0.8g
 プロセスチーズ1切(25g):0.7g
 アップルパイ1個(100g):0.7g
 ウィンナーソーセージ2本(30g):0.6g
 ちくわ1本(30g):0.6g
 シラス干し大さじ1杯(10g):0.4g
 卵1個(50g):0.4g
 バター パン1枚分(10g):0.2g
 カシューナッツ14粒(20g):0.1g
(日本食品標準成分表2015年度版調べ)

パンやアップルパイなどそれほど塩辛いと感じない食品の中にも、思ったよりも多くの塩分が含まれていることが分かると思います。つまり、塩辛いと思う食品には、より多くの塩分が含まれているということです。

例えば、朝食に6枚切りのパン1枚にバターを塗り、ハムエッグ(ハム1枚に卵1個)を食べた場合、何も味付けしなくても1.8gの塩分を摂ることになります。そこに、スープをつけ、塩やドレッシングを使えば、1食で4~5gの食塩相当量になってしまうのです。

食塩は体に必要なものではありますが、通常の生活をしている成人の必要量は1.5g。塩分を減らすためには薄味を心がけるだけでなく、「隠れ塩分」にも気を付けましょう。

【管理栄養士・今井久美】