<栄養素を無駄なく摂る食べ方:ハーブ編>

チャービルはロシア南部から西アジアが原産と言われるセリ科の1年草です。「チャービル」は英語で、フランス語では「セルフィーユ」、和名は「茴香芹(ウイキョウゼリ)」と言います。古代ローマ時代から食用や薬用として使われてきました。

爽やかで、かすかに甘い繊細な香りがします。「美食家のパセリ」「グルメのパセリ」とも称され、特にフランス料理で重宝されています。味は薄めで影響が少ないため、レースのような葉はケーキの飾りにも使われています。

葉の色がはっきりしてハリがあり、茎がピンとしてみずみずしいものを選びましょう。鮮度が落ちると葉が黄色くなります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
チャービルはビタミン、ミネラルが豊富ですが、一度に食べる量はあまり多くありません。注目されるのはファイトケミカル(フィトケミカル)です。

チャービルのファイトケミカルには抗酸化、抗炎症、解毒、消化促進、血行促進、利尿などの作用があります。ヨーロッパでは古くから消化器疾患、皮膚炎、腎疾患などに使われてきました。

ファイトケミカルは熱に弱いので、生食がおすすめです。繊細な味わいで料理の味を邪魔しないので、添えてあったら残さず一緒に食べましょう。卵との相性が良いのでオムレツなどにも使われますが、仕上げに加えて加熱は最小限にしましょう。

果実は茴香(ういきょう)と言う生薬としても使われています。健胃、去痰、駆風作用があり、漢方処方製剤の成分になっています。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、消化促進、貧血予防、疲労回復、血行促進、美肌効果、生活習慣病予防、解毒、腎機能調整、アンチエイジング、精神安定などです。

保存するなら
保存する場合は、水で湿らせたキッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存します。ペーパーがびしょびしょに濡れていると傷みやすいので、注意してください。グラスに水を入れて生けておくこともできます。香気成分は揮発性で、日が経つにつれ減っていきます。早めに使いましょう。

チャービルは家庭でドライを作ると、香りが格段に落ちてしまい難しいです。できるだけフレッシュで使いましょう。

冷凍する場合はハーブバターにします。みじん切りにしてバターに練りこみ、ぴっちりラップで包み、棒状に整えて冷凍します。使う分だけ切り分け、トーストやグリル、ソテーなどに利用できます。1カ月ほどで食べ切りましょう。

【管理栄養士・高木小雪】