いまや毎日の調理に欠かせないアイテムとなったラップ。正式には食品包装用ラップという製品を、ほとんどのご家庭で使っているのではないでしょうか。冷凍や冷蔵保存をする際に使い、そのまま解凍したり、電子レンジで温めたりすることもありますよね。
スーパーやドラッグストアに行くと、いろんな種類のラップが並んでいて値段も様々。ついお安いものを買いたくなりますが、使っていて「切りづらい」「全然くっつかない」と残念なことも。
実はラップには素材が複数あり、耐熱・耐冷温度も異なります。それぞれの特徴を知り、賢く使っていきましょう。
ラップの素材は主に3種類
家庭用のラップの素材は、主に次の3種類に分けられます。
(1)ポリ塩化ビニリデン製
特徴:湿気や酸素を通しにくく乾燥を防ぎ、みずみずしさを保つ。丈夫で破れにくく密着性が高い。におい漏れやにおい移りも防いでくれるが、価格はやや高め。肉や魚、カレーなどのにおいの強い食品への使用に適している。
(2)ポリエチレン製
特徴:最も価格が安いのが強み。「無添加」をアピールする商品もあるなど、環境にはやさしいが、くっつきやすさや透明度などは劣る。酸素を通しやすいため、収穫後に呼吸が必要な野菜や果物への使用には適している。
(3)ポリ塩化ビニル製
特徴:よく伸びて容器に密着しやすく透明度が高いのが特徴。液体も漏れにくいのでラーメンの出前などに使われているほか、業務用に使われることが多い。酸素や水分は通しやすい。スーパーで売られている精肉のパックなどはほとんどこの素材。
電子レンジで使えるラップの耐熱温度
ラップをしたまま食品を電子レンジで温める場合、高温に耐えられているのでしょうか。食品や時間、ワット数にもよりますが、電子レンジの庫内は100度以上になることもあります。ふと疑問に思って、自宅のレンジの取り扱い説明書を見てみると、そこに使えるラップの耐熱温度が書いてありました。
「ラップは耐熱温度が140度以上のものが使えます。
※ただし、砂糖・油分の多い料理など高温になる食品には使えません」
これは、家電製品の安全啓発を推進する日本電気工業会のホームページにも同様の記載があるように、一律で温度が定められているものです。
ラップの素材別の耐熱温度はポリ塩化ビニリデン製が140度、ポリエチレン製が110度、ポリ塩化ビニル製が130度。つまり、電子レンジで温める時にポリ塩化ビニリデン製のラップ以外を使うと、耐熱温度を超えてしまう可能性があるのです。