<栄養素を無駄なく摂る食べ方:豆類編>

大豆は中国原産と言われるマメ科の種子で、日本へは弥生時代に伝わったようです。奈良時代には大豆からみそやしょうゆのもとになったものが作られ、鎌倉時代頃から広く栽培されるようになりました。

大豆と言えば一般的に「黄大豆」を指しますが、「黒豆」と呼ばれる「黒大豆」のほか、青、白、赤、茶、斑紋などの色があり、大きさは大・中・小粒種に大別され、細かく分けると数百種類にもなります。

栄養素が豊富で、そのまま食べるだけでなく、豆腐や納豆、みそなど多くの加工品にもなり、「大いなる豆」という意味から「大豆」と名付けられたという説があります。

大豆を発芽させたものが大豆モヤシ、未熟なうちに収穫したものが枝豆で、これらは野菜として扱われます。

大きさや形が揃っているものを選びましょう。煮る前に6時間ほど水につけ、戻してから調理します。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
大豆は「畑の肉」と言われるようにタンパク質が多く、鶏むね肉(皮なし、焼き)と同じくらいの割合(約35%)です。また、約20%が脂質で、大豆油の原料としても使われています。その他、ビタミンB群、ビタミンK、ミネラル、食物繊維などが含まれています。

多くの有効成分がありますが、代表的なものはイソフラボン、サポニン、レシチンです。イソフラボンは女性ホルモンと似た作用をするため、更年期障害の症状軽減に役立つと言われます。サポニンはマメ科に共通の成分ですが、大豆に特に多く、脂質の過酸化抑制作用、血中コレステロール適正化作用が認められています。肝障害予防、体脂肪減少に役立ち、免疫力向上も期待されます。レシチンは血管の若さを保ち、血中コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があります。認知症予防効果も期待されています。

大豆にはβカロテンがほとんど含まれていないので、ニンジンと合わせると栄養素のバランスが良くなり、大豆の脂質によってニンジンのβカロテンの吸収率がアップします。

ゆで大豆を使った「ニンジンの卵焼き」
ゆで大豆を使った「ニンジンの卵焼き」

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、更年期障害軽減、血行促進、貧血予防、疲労回復、便秘改善、骨粗しょう症予防、認知症予防、アンチエイジングなどです。

保存するなら
乾燥大豆は、開封前は冷暗所で、開封後は空気に触れないように密封し、野菜室で保存します。

煮たものは、数日以内に使う場合は煮汁ごと冷蔵保存します。すぐに使わない場合は冷凍します。水けをきって保存袋に入れ、カチカチに凍る前にほぐしておくと使いやすいです。

【管理栄養士・高木小雪】