今月は非常勤講師をしている大学や専門学校の卒業式がありました。新型コロナの影響で出席者が制限され、最後は学生に会えず、寂しいものとなりましたが、今年度のオンライン授業を通して少し気になっていたこともありました。学生が、これまでの対面と同様の学力を得られたかどうかということです。

対面同様の学力を得られたか心配だったが…

例えば、卒業と同時に栄養士の資格がとれる学科は、私が担当する実習や演習などを含めてほとんどがオンライン授業でした。調理実習の場合、工程などを説明し、あとは課題という形で学生たちが各自取り組みました。演習の場合は、学生を数名のグループで分けてオンラインでディスカッションを行いました。

提出された課題レポートを見ると、調理の出来上がり写真はあるものの、実際に包丁の持ち方や手際などまでは分かりません。ディスカッションでは知らない学生同士、会話を深めることができているのか不安もありました。だから今年度の卒業生は資格を得ても、社会に出てから苦労するのではないかと心配していたのです。 

オンラインならではのスキルアップも

しかし、最後に提出された学生の感想をみると、「ディスカッションは知らない人でしたが、顔が見えないためやりやすかった」「調理実習が班ではなかったので、自分で最初から最後まで作業ができた」など、必ずしもやりにくさやマイナスだけではなかったのかなと思います。逆にオンライン授業により、毎週課題を提出しなければならない(それが出席になる)ため、締め切りを守るとか、思いを言葉にしてまとめる、パソコンの操作の向上などこれまでとは違うスキルアップにつながった面もあります。

スポーツの現場に限らず、栄養士は相手によって、知識をどのように伝えるのかも考えなければなりません。そういう意味ではこのオンライン授業は、対面とは違った可能性があったのだと思います。大変な一年を過ごした卒業生のこの先の活躍に、エールを送ります。

さて今回は「納豆と野菜の具だくさん卵焼き」を紹介します。コロナの影響で運動不足から体脂肪が増えたり、便秘がちの方も多いと聞きます。そういった方にもおすすめです。

コツはあまり加熱しないこと。特に納豆に熱をあまり加えないようにすることがポイントです。食べ応えもあります。ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香