最近は、アスリートの脂質のとり方にも変化が生じ、「脂質はとらないほうが良い」と思っているアスリートは以前よりも減っているように感じます。「魚の脂は良い、肉の脂は悪い」というように、脂の質について大雑把にとらえているアスリートもいますが、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸などを明確に説明できるアスリートもいるほどです。

これはスポーツ栄養に限らず、一般の方の健康のために、メディアなどが脂質の上手のとり方を頻繁に取り上げていることが要因の1つでしょう。今回は、アスリートにおすすめの脂質がとれる「焼き野菜とサケ缶のマリネ」を紹介します。

アスリートに摂って欲しい脂質は、EPA(エイコサペンタエン酸)とMCT(中鎖脂肪酸)オイルです。EPAをとることで血管が柔らかくなって血流が改善され、それによって疲労回復にも効果があります。このレシピではEPAがとりやすいサケ缶を使用しています。

MCTオイルは、運動量が多い時や体脂肪を減らしたい時に使用したいもので、EPA同様、緑黄色野菜に含まれるβカロテンやビタミンE、ビタミンDなどの吸収をアップさせる効果が期待できます。つまり、脂を使うことで、アスリートがよく訴える眼精疲労の回復や、免疫力のアップができるのです。

サケ缶はカルシウムやビタミンDなども豊富で、脂によって吸収率が高まり、骨強化も期待できます。トマトやカボチャ、ナスといった野菜を使い、見た目も鮮やかなマリネ。ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香