前回のコラムで「ご飯の量は選手自身ではかりましょう」とお伝えしました。今回はその続編です。

先日、ある高校生選手が食事画像をSNSで送ってきたので、「主食のご飯は何g食べているのか」と聞いたところ、しばらくしてから「朝食1合、昼食2合、夕食は…」という返信が届きました。おそらく親に聞いて、言われたことを返してきたのでしょう。自分でご飯を計量していないんだろうなと思い、「自分で計りなさいね」と再度送りました。

今も使われる尺貫法の名残

そもそも「グラムは重さ」であり、「合は容量」です。一般的な容量の単位はミリリットル(ml)やリットル(ℓ)ですが、米は1合、2合と「合」や「升」を使います。ただし、家庭科の教科書に「合」は出ていません。

日本では物を計るとき、国際的に標準化されているメートル法を使っていますが、40年ほど前までは日本独自の計量単位「尺貫法(しゃっかんほう)」を使っていました(1966年に完全廃止)。その名残が、お米を量るときには残っています(※)。これだけ世の中が変わってきても身近なところで尺貫法が使われているということは、それだけ生活に浸透しているということです。

さて、普通の計量カップと、炊飯時に使うお米のカップでは大きさが違います。通常の計量カップは1カップ200mlですが、米の1カップは180mlです。これが「合」の単位で、1合、2合とはかっていくのです。1合の米を炊くと水加減にもよりますが、水を吸って炊き上がると2.1~2.3倍に膨らみ、重量は約330gになります。

さきほどの選手には「①1合の米は何g?」「②お米は炊くと何倍になる?」「③1合の米は炊き上がり何g?」と“宿題”を出しました。親任せではなく、少しは自分で、自分が食べているお米の量を量り、考えて欲しいと思います。

今回は「焼き鮭とサツマイモの炊き込みご飯」を紹介します。サケは冷凍できる便利な食材ですし、子どもたちも比較的好きな魚ではないでしょうか。

サツマイモとキノコ、しっかり焼いて大きめにほぐしたサケを一緒に炊き込みます。サケなどの魚類に特徴的なビタミンDやサツマイモ、ブナシメジからビタミンB群も摂れるボリューム感のある炊き込みご飯です。

冬のシーズンにはしっかり食べてしっかり動いて進化したカラダになりましょう。たまにはこんな炊き込みご飯もいかかでしょうか。

※昔の単位知っている? (komenet.jp)より

管理栄養士・月野和美砂