パリオリンピックもあっという間に残り1週間余りとなりました。幼い頃の私は、あと一歩で敗れたりメダルを逃したりする選手に対し、「もうちょっとで勝てそうだったのに」などと考えていましたが、大人になるにつれて、ここに至るまでの道のりや周囲でサポートしている人々の思い、この舞台に立ちたくても立てなかった選手のことなどに考えが至るようになりました。

オリンピックはこれから未来を担う子どもたちにとって、とてもよい学びの機会です。ぜひ親子で観戦してみてくださいね。

咀む回数が減ると夏バテに

夏は冷たい麺類やアイスがおいしい季節です。しかし、「冷たいものばかり食べると夏バテしやすくなる」という話をよく聞きませんか?

これは胃腸が冷えて消化吸収能力が下がるためですが、「噛む回数が減る」ということも夏バテの要因に関係しています。冷たい食べ物はのどごしがよいため、食べやすいのですが、あまり噛むことを必要としない食品が多く、噛む回数が減ることで様々なデメリットがあります。

唾液の分泌量が減る

唾液はよく噛んで顎を動かすことで、さかんに分泌されます。咀嚼回数が減ると唾液の分泌量も減り、食べたものが唾液による消化作用を受けづらくなります。その結果、ただでさえ冷えて弱った胃腸にさらに負担をかけることになります。

噛まないと満腹になりづらい

また、私たちはよく噛むことで脳が刺激を受け、適切な量で満腹感を感じられるようになっています。噛む回数が減ると満腹感を感じづらく食べ過ぎてしまうので、やはり胃腸に負担となります。食事量をコントロールしたいアスリートにとっても「よく噛む」ということはひとつ大切なポイントです。

よく噛むための食事のポイント

冷たい麺類でも、ひと工夫すると「よく噛む」メニューになります。まずは具材をたっぷり入れましょう。具材は細かく切らずに歯ごたえを残すようにすると自然と噛む回数が増えます。例えば、キュウリは太めの千切り、ヤマイモはすりおろしではなく短冊切りがいいですね。

食事中は、他の水分を控えることもポイントです。特に冷やし中華、そうめんなど水分の多い献立の場合、他の水分を摂らないようにしましょう。水分が多いとよく噛まずに流し込んでしまいがちになる上に、胃液が薄まって消化によくありません。水分補給が必要な場合は食後、少し落ち着いてからがいいですね。

今回紹介するレシピは「ゴーヤーのツナマヨサラダ」です。あっさりとした麺類の副菜にぜひいかがでしょうか。

ゴーヤーにはビタミンCが豊富に含まれ、特有の苦み成分である「モモルデシン」には食欲増進効果もあります。苦味が苦手な方は、下処理で塩もみすると、苦味が和らぐでしょう。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子