男子は骨格がしっかりして筋肉質なのに対し、女子は骨格が細くて体脂肪が多いという違いがあります。これは性ホルモンの違いによるものです。
男子との体格の違いは性ホルモン
女子は思春期に入ると、「妊娠・出産・授乳」という子孫を残す能力をつけるために、女性ホルモンの分泌が盛んになります。乳房がふっくらしてくるなど全身に皮下脂肪がついてきて、女性らしい体格に変わっていきます。
女子の身長・体重の年間発育量が最も多い「成長のピーク」は、身長が9~10歳、体重は10~11歳ですが、これは個人差が大きいといわれています。身長のピークの後、骨などの除脂肪体重が増えて「初経」を迎えますが、初経を迎えるには女性ホルモンが必要です。初経の後も月経が安定してあることで、「女性として健康に生きていくためのシステムが出来た」ということになるのです。
今回は、女性の体にとって大切な役割をもつ「女性ホルモン」についてお話しします。
骨を丈夫にするエストロゲン
女性ホルモンには卵胞ホルモンの「エストロゲン」と黄体ホルモンの「プロゲステロン」があり、特にエストロゲンが女性の体に大きく作用しています。
エストロゲンには、女性らしい体を作るだけでなく、「骨を丈夫にする」「髪の毛や肌のハリ・ツヤを保つ」「脂質の代謝を助ける」など様々な働きがあります。閉経すると骨密度が低下しやすく、骨粗しょう症になる可能性が高いことはよく知られていますが、コレステロール値や尿酸値が高くなったり、自律神経が乱れてうつ傾向になったりもします。これらはすべて、エストロゲンの分泌が少なくなることによる影響です。
健康のためにある程度の体脂肪が必要
皮下脂肪は「外部からの衝撃を防ぐためにつく」といわれており、女性は妊娠しておなかの中で赤ちゃんを育てるためにも、下腹やおしりに脂肪がつきやすくなっています。女性ホルモンは卵巣で作られ、視床下部でコントロールしていますが、体脂肪が低いとホルモンのバランスが崩れ、月経不順や無月経になります。体脂肪率15%で半分、10%以下になると100%無月経になると言われています。
体型が気になるアスリートは多いと思いますが、健康で高い競技力を保つためには、女性ホルモンのバランスを整えること、そのためにはある程度の体脂肪が必要なのです。
イソフラボンの入った豆乳スープ
気温が下がり、温かい食べ物が恋しい季節になりました。今回、紹介するのは「豆乳ゴマスープ」です。豆乳の原料は「大豆」で、大豆製品には女性ホルモンの構造に似た「イソフラボン」という成分が入っており、女性ホルモンの代替えとして注目されています。
豆乳1本(200ml)はエネルギーが95kcalと牛乳の138kcalより少ないのに、タンパク質が7.4gと牛乳と同じくらい入っています。しかし、カルシウムは牛乳の226㎎に比べると31㎎とかなり少ないため、カルシウムの補給には適していません。女子アスリートの中には牛乳より豆乳を好んでいる人も少なくありませんが、何の栄養素を摂りたいのかによって、牛乳と豆乳を使い分けすることが必要になります。
「豆乳ゴマスープ」のように、1品で野菜もタンパク源もとれるようなスープにすると、調理の手間も省けます。2食分を一度に作って、夕食と翌日の朝食用にすると、時間のない朝に調理しなくても済みます。
また、このレシピでは短時間でできるように、野菜を火が通りやすい千切りにしていますが、大きめに切れば、噛み応えがあるので満腹感が得られ、食べすぎを防ぐことができます。目的によって、野菜の切り方も変えてみてください。