まだまだ暑さが続いていますが、季節が変わり秋になったとしても、10月頃にかけて体調を崩す人が多くなります。

高温多湿の気候、冷房の使用による冷え、発汗量が増えることによる水分不足、冷たいものの摂取が増えて食欲が低下するための栄養不足、熱帯夜による睡眠不足を原因として、倦怠感を感じるのが「夏バテ」です。

この猛暑ではその後も、気温の変化、湿度の低下による乾燥、日照時間の短縮、夏の疲労の蓄積などによって長らく倦怠感が続くことがあります。これを「秋バテ」といいます。

今年こそは季節の変わり目の体調不良にならないようにしたいものです。「夏バテ」「秋バテ」の対策ポイントは次の8点です。

夏バテ、秋バテ予防と対策

①適度な温度管理
②水分補給
③バランスの良い食事
④適度な運動
⑤十分な睡眠
⑥ストレス管理
⑦規則正しい生活リズム
⑧湯船に浸かる入浴

暑い時期はミネラルやビタミンB群を多く

食事は「バランス良く」揃えた上で、さらにポイントがあります。

発汗の多い夏は、汗でカリウムやナトリウム、鉄などのミネラルがより多く失われます。必要量が増える上に、暑くて食欲が低下して食事摂取量が減る人は、電解質だけでなくミネラルの摂取を努める必要があります。

暑い時期は、スポーツドリンク、ジュースの摂取量が増えるだけでなく、普段甘いものを食べない人もアイスクリームを食べることが増えるでしょう。また、簡単でさっぱりした麺類だけになったり、暑さで傷みやすいおかずを減らして主食のみで済ませたり、糖類や糖質の摂取量が増える人が多くなります。その結果、ビタミンB群、特にB1の必要量が増えるのです。

暑い時期ほどミネラルやビタミンB群の多い主菜(肉、魚、卵、大豆製品)と副菜(野菜、海藻、キノコ)を揃えるように意識するといいですね。

秋にかけてはビタミンACEとD

気温と湿度が低下していく秋は、感染症が増加する季節でもあります。感染症対策で免疫力を高めるため、抗酸化作用のあるものを摂りましょう。

抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eやポリフェノール類を摂るために、緑黄色野菜や果物(1日100gぐらい)、海藻、ゴマやナッツ類を積極的に食事にとり入れましょう。

また、日照時間が短くなるために血中のビタミンD濃度が低下します。魚やキノコ類はビタミンDを多く含みますので、秋が旬のサンマ、サバ、サケ、カツオやキノコ類を食事に取り入れるのも良いですね。

忘れがちなのは、水分。涼しくなってくると水分の摂取量が減りがちです。

発汗が減っても、湿度が低下し乾燥することで、呼気からの水分蒸発量が増えます。喉や鼻が乾燥することでより感染症にかかるリスクが増加します。また、秋に便秘になる場合も、水分の摂取量が不足している可能性があります。暑い時期が終わっても、こまめにお茶や水を摂るように心がけましょう。

管理栄養士・今井久美