全国的なコメ不足の影響で、スーパーなどで白米の在庫がなくなり、販売できない状況が続いていましたが、新米が出回るようになり、少しずつ状況は改善されてきましたね。

8月から9月にかけて、パリではオリンピック、パラリンピックが開催されました。選手村の食事について、パリと比較して、前回の東京大会の食事が素晴らしかったと、改めて日本食やきめ細やかなサービスが再注目されました。

様々なバリエーションのある日本食ですが、インバウンドで日本に滞在している外国人にも人気のメニューは「寿司」「天ぷら」「ラーメン」です。また、手軽に食べられる「おにぎり」も人気です。

おにぎりは、アスリートの補食の定番として日頃から子どもに作っている方も多いと思いますが、意外にご自身は食べていないのでは? 色々な具材と組み合わせられるので、ぜひ「大人」も食べていきましょう。

米食のメリット

米食には様々なメリットがあります。

1、エネルギー供給源
米は炭水化物が豊富で、主にエネルギー源として重要です。特に白米は消化が良く、即効性のあるエネルギーを提供します。これはスポーツや活動量の多い日常生活において重要です。

2、低脂肪・コレステロールを含まない
米は基本的に低脂肪で、コレステロールが含まれていないため、心臓病や肥満のリスクを減らすのに役立ちます。またグルテンフリーであるため、グルテンを気にする人にとっても適しています。

3、ビタミンとミネラルの供給源
特に玄米は、ビタミンB群(特にビタミンB1)、マグネシウム、セレン、亜鉛、鉄などの栄養素が豊富です。これらの栄養素は、代謝のサポート、免疫機能の向上、赤血球の生成など、さまざまな体内の機能を助けます。

4、食物繊維の豊富さ(玄米や雑穀米の場合)
玄米や雑穀米には食物繊維が多く含まれており、消化管の動きを活発にし、便秘を防ぐ効果があります。また血糖値の急上昇を抑える効果もあり、糖尿病の予防に役立ちます。

5、持続的なエネルギー供給
米はゆっくりと消化されるため、持続的にエネルギーを供給します。これにより、血糖値の急激な変動を防ぎ、長時間にわたって安定したエネルギーを提供することができます。体を作り、修復するのにもエネルギーが必要ですが、鉄やタンパク質を十分に摂っていても貧血傾向の人はエネルギー不足が原因とも言われています。

6、安定した体重管理
米食は満腹感を得やすい食品です。適量を食べることで過食を防ぎ、体重管理に効果があります。また、米を中心とした食事は、健康的な体重を維持するためのバランスの取れた食事スタイルに適しています。

7、環境への優しさ
米は、比較的環境負荷が低い作物とされており、持続可能な食糧生産の一環として注目されています。水田農業は、メタンガスを発生し温室効果ガス排出に関与していますが、メタンガスの削減に向け、水管理の改善、稲の品種改良、肥料の適正使用などの研究が進んでいます。

これらの理由から、米は世界中で主食として広く利用されており、健康的な生活を支える重要な食品とされています。

中でもおにぎりはどんな食材にも合います。具材に肉や魚、卵といったタンパク源と野菜を組み合わせることで、1品でもバランスの良い食事になり、また、携帯しやすくお弁当にも適しています。

フランスでは、フランスの食材に合わせたパリ風の「パリおにぎり」が大人気だそうです。「サーモンとクリームチーズのおにぎり」やアボカドや生ハムに合わせたおにぎりなども人気で、逆輸入食として日本でも流行っています。

管理栄養士・今井久美