コロナ禍で練習を再開し、体作りはしっかりできていますか? 今、それにプラスしたいのが「こころ」作りです。「根性」「気合い」…スポーツではそんな言葉も思い浮かびますが、それだけでは片付けられません。

中高生4割が「最近、集中できない」

国立成育医療研究センターが、今年6~7月に行ったコロナ禍におけるこどもたちの生活と健康の現状に関する調査では、小学生約700人のうち4割強が「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」、中高生約200人のうちの4割が「最近、集中できない」と回答しています。また、子どもたちの相談相手はどの相談に対しても「家族」が多く、保護者約1600人の6割強が「(保護者自身が)何らかのこころの負担がある」と回答しています。

子どもだけではなく、大人もこころの問題を後回しにせず、対応していくことが「からだとこころの両輪が揃ったヒト=ジュニアスイマー」を作る大切なことであると考えます。

神経伝達物質の鉄は精神安定の元

こころに関する食事で特に気をつけたいのが、鉄不足です。こころが不安定になると、食事量が少しずつ下がり、吸収率が低い鉄の摂取量も当然、低くなります。

鉄は脳に情報を送る神経伝達物質で、精神安定のセロトニンを作るのに必要な栄養素です。鉄の摂取や体内吸収が少ないとセロトニンが作りにくくなり、「目の前のことに集中できない」「コーチの声にイライラしてしまう」「練習に行けないほどしんどい」状態になってしまいます。

今回紹介するのは、鉄強化の主菜「鉄吸収アップ♪とりつくねの磯辺焼き」です。とりつくねは「鶏ひき肉」「はんぺん」「枝豆」「コーン」「卵」と色々な食材を合わせて作っています。それぞれに含まれる鉄の含有量は少なくても、合わせることで必要量を満たします。

鉄は単独では吸収率が悪いので、タンパク質や付け合わせのブロッコリーのビタミンCと合わせることで、吸収率をアップさせます。血液強化に役立つ葉酸も含むつくねは、お弁当にも最適です。

残暑もやわらぎ、しのぎやすい季節となりました。こころ作りも早めの対策で、みんなで気持ちよく過ごしましょう。

管理栄養士・松田幸子