新型コロナウイルスの感染予防としてマスク着用が推奨され、今では店頭で様々な素材や性能のマスクが売られています。この必須アイテムになったマスクによる肌荒れが急増していますが、スポーツ選手にも影響を及ぼしています。

練習中も、マスク装着を義務付けられているところもあるでしょう。マスクをずっとつけていると肌が乾燥し、敏感になっていきます。練習などの疲労や試合などのストレスを抱えると、汗とともに一層肌荒れしやすくなり、口の周りにニキビや湿疹ができる場合もあります。

また、思うように練習時間を確保できず、時間を持て余して甘いものやアルコールなどの高脂肪食品や小麦製品をとりすぎていませんか? これらも肌トラブルの原因となります。

「マスク荒れ」予防の食材や栄養素

それでは、マスクによる肌荒れを予防する食材や栄養素を見てみましょう。

皮膚の健康を保つ

ビタミンAは目・鼻・口などの細胞の分化に関わり、正常に保ち、皮膚を感染症から守ります。
ビタミンCは皮膚を強化し、ストレスから守る作用があり、コラーゲンを作ります。ただ水溶性のため、体内に貯めておけないのでこまめに取りましょう。
ビタミンEは抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を抑えたり、血行を良くしたりします。
・これらを多く含む食材はパセリ、ピーマン、パプリカです。ビタミンAとEは脂溶性のため、油で調理すると体内吸収率が高まります。

胃腸の働き、腸内環境を整える

食物繊維を十分にとりましょう。
・胃腸の働きを助けるキャベジン(ビタミンU)を含むキャベツや、胃粘膜を強化するネバネバ成分を含むオクラや長イモ、免疫細胞を活性化するワカメ、コンブ、モズクなどの海藻をとりましょう。
・殺菌効果のあるアリシンを含むニンニク、ネギ、ニラ、タマネギもとりたい食材です。 

また、口の周りを覆って激しい運動をすると、呼吸が浅くなり、熱中症のリスクが高まります。喉の渇きも感じにくくなるため、乾燥しないよう十分な水分摂取が必要です。

今回は皮膚の健康を保つ食材を使った「パプリカグラタン」を紹介します。ビタミンACEが豊富なピーマンやパプリカを器代わりに使い、マグロやサバの缶詰とチーズを具にしています。材料を準備したらオーブントースターで5分焼くだけ。見た目も華やかで食が進みます。

マスク着用の生活は、今後もしばらく続くことでしょう。食事とともに適切なお手入れもしながら上手に付き合い、感染症予防にも努めましょう。

管理栄養士・山口美佐