主婦の知恵を交換、学びの場
最近は、近所の農家や、関係者から野菜を差し入れされることも増えてきた。主婦がそれぞれの知恵も持ち寄り、野菜の切り方から手順まで、お互いに情報交換しながら調理する。
この日も、ポテトサラダに細かく刻んだピクルスを入れ、味にアクセントを加えたら大好評。久松さんも「ここに来ると、料理の勉強にもなるんですよ」とお母さんたちにとっても学びの場になっているようで、とても楽しそうだった。
平日補食は監督と顧問が担当
平日は学校から分けてもらったご飯や残りものを使い、佐々木監督と顧問の大峰真澄先生(55)が補食に腕を振るう。おにぎりのときもあれば、冷蔵庫の残りものでカレーライス、親子丼、回鍋肉丼なんて手の込んだものまで。佐々木監督は「1カ月に1回体重を量りますが、強制的には食べさせてはいません。ただ、選手がおなかを空かせることがないよう、時間を見計らって食事を用意します」と話す。
主将の手塚悠内野手(2年)も「平日の補食も、週末のお母さんたちの食事もとてもおいしくて、ついおかわりしてしまう。周りがおかわりすれば、つられて『僕も』となる。食事の面でも切磋琢磨(せっさたくま)していると思います」。
秋季関東大会は準々決勝敗退。センバツ出場は厳しいが、手塚主将は「支えてくれているお母さんたちに、夏の甲子園出場と勝利で恩返ししたいです」と言う。選手とお母さんが一丸となって、再び甲子園での頂点を目指す。【保坂淑子】
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