子どもの好き嫌いをなくすために

お母さんが嫌いな食材があると、それを使った料理を作らないことが多いですよね。でも、私は好き嫌いをなくすために学校給食がある、とも考えています。給食の献立表を見ると、家庭で作らないメニューがたくさんあります。もし、その中のメニューを「作って欲しい」とお子さんからリクエストされたら、作れない場合は出来合いのものを買ってもいいと思います。子どもの頃は、色々なものを食べさせることが大切ですし、食生活が豊かになるきっかけになるからです。

リオ五輪出場を決め、笑顔で記念撮影するバレーボール女子日本代表の選手たち。前列左から佐藤あり紗、鍋谷友理枝、大竹里歩、荒木絵里香、木村沙織、古賀紗理那、宮下遥、内瀬戸真実、田代佳奈美、江畑幸子、2列目左から座安琴希、山口舞、丸山亜季、田中瑞稀、3列目左から島村春世、迫田さおり、長岡望悠、石井優希(2016年5月21日)
リオ五輪出場を決め、笑顔で記念撮影するバレーボール女子日本代表の選手たち。前列左から佐藤あり紗、鍋谷友理枝、大竹里歩、荒木絵里香、木村沙織、古賀紗理那、宮下遥、内瀬戸真実、田代佳奈美、江畑幸子、2列目左から座安琴希、山口舞、丸山亜季、田中瑞稀、3列目左から島村春世、迫田さおり、長岡望悠、石井優希(2016年5月21日)

里歩は果物全般が苦手でした。生後1カ月から乳歯が生えたので、虫歯にしたらいけないと思って水やお茶ばかり飲ませていたら、ジュースが嫌いになってしまいました。バレーを始めてからスポーツドリンクを飲む練習をしたぐらい。今は、栄養士さんの指導もあり、ケガをしたことであえて摂るようになり、普通に飲めるようになりました。実は、私がバナナを嫌いなんです。匂いもダメで、それが娘に影響したのかな、と反省もしています。

アスリートでも食事が整っていない人がいると聞きますが、それは子どもの頃からの食生活が影響していると思います。うちは好き嫌いだけはさせませんでした。残すことは作ってくれた人に失礼だと、しつけていましたから。

「スポーツ選手に必要な食事」を広めたい

バレーボール男子国際親善試合の韓国戦でジャンプサーブを放つ大竹壱青(2018年7月28日)
バレーボール男子国際親善試合の韓国戦でジャンプサーブを放つ大竹壱青(2018年7月28日)

主人の頃から考えると、ようやく「スポーツ選手も食事が大事」という時代になってきましたが、まだまだ物足りません。個人個人代謝も違えば、スポーツによって食べ方も違うのに、大学によっては食事内容が複数の競技で一緒だったり、練習の終了時間が遅いと外食にしたり。実業団では栄養管理が進められていますが、まだ個々を考えたメニューではなく、ケガ人用のメニューがなく、味が濃いものが多いようです。

私の食に対するコンセプトは、

健康な体が基本。そのためには日々の食生活が大切。
成長期の体作りは食生活の積み重ねによるものである。
健康であれば「夢を叶えるため」のスタートラインに立てる。

逆に言うと、そのスタートラインに立てなければ、夢に向かって進むことができないので、食生活が非常に大切だということです。

子どもの夢のために、母はあくまでもサポート役。「これだけやってあげているのに…」といった言葉はNGです。

私もまだ勉強中ですし、うちの子どもたちもまだまだ発展途上。しかし、2人とも「食べることは大切」だと理解していますし、例えば、試合前に何を食べるべきか、疲労回復には何が効果的かといったアスリートの食事の基本は理解していると思います。

黒鷲旗を制し、3冠を達成して喜ぶ大竹壱青(後列右から2人目)らパナソニックの選手たち(2018年5月5日)
黒鷲旗を制し、3冠を達成して喜ぶ大竹壱青(後列右から2人目)らパナソニックの選手たち(2018年5月5日)

バレーボールそのものについては、父の姿を見ていますし、姉弟で相談したりしています。私は、私のできることで、これからも支えていきたい。そして、こういった経験を多くの方々に広めていきたいと思います。

【聞き手:中西美雁、アスレシピ編集部・飯田みさ代】