「食べたものでしか体はできない」

「つらいこと、悲しいことがあっても、自分の口から食べたものでしか体はできないからね」と口うるさく言ってきた。高級食材を食べさせてあげることはできないけど、食べ物には気を使いなさいと。中学2年の時に「ナス」で大げんかしたのを覚えていますか? 炒め物を出したのに「絶対に食べない」って意地を張るから「ふざけるな!」って怒鳴ったよね。今でもナスは嫌いみたいですが、寮ではしっかり食べていると聞いて安心しました。

「巨人の高橋選手」は学生時代と違って、はるかかなたではないけど、少し距離が離れた感じがするかな。毎日、ニュースで活躍を見ていますよ。プロ入り後は連絡をしてくることもなくなったけど、親に連絡が来るようじゃまだまだだと思うし、これが通常かもしれないね。

巨人対阪神 試合後、ヒーローインタビューを終えた巨人高橋に手を振る両親(中列)(撮影・山崎安昭)
巨人対阪神 試合後、ヒーローインタビューを終えた巨人高橋に手を振る両親(中列)(撮影・山崎安昭)

家族の誕生日は電話で必ず「おめでとう」と言ってくれたね。自分で立ち上がり諦めずにここまでやってきたことは尊敬に値します。だから、これから先も「今そこにいることは自分1人の力じゃない」ということは、どんな立場になっても忘れないでほしい。私たち家族は見守ることしかできないけど、どこでも、どんな時でも一番に応援しているからね。

まだ始まったばかりだけど、この初勝利を自信にして、勝負の世界で生きると自分で決めたのだから、勝負に徹して、これからも頑張ってね。

(2019年4月5日、ニッカンスポーツ・コム掲載)