真夏日が続くと、手早く調理ができる練り製品などの加工食品を利用することも多いですよね。中でも、「かにかまぼこ(カニカマ)」を冷蔵庫にストックしている方も多いのではないでしょうか。

「カニカマ」を食べた後に体調を崩したことのある方はいませんか。「カニのアレルギーだろう」と自己判断して、病院を受診せず、カニのみ控えるようにしている方もいるかもしれません。

また、「カニカマ」の名称から、カニアレルギーの方のみ注意すれば良いと思われるかもしれません。しかし、食品表示をよく見ると、カニの成分よりもタラ、イトヨリダイ、エソなどの白身魚のすり身が含まれる割合の方が多いのです。

実は、カニカマを食べた後のアレルギー反応の原因は、魚肉アレルギーの可能性が高いともいわれています。魚肉アレルギーは、思春期以降増加し、成人においては、甲殻類や小麦のように原因食物の上位に挙がっています。

さらにカニカマにはカニエキスも入っており、他にも卵、大豆などの食品が含まれているため、アレルギーの原因は魚だけにはとどまりません。呼吸困難や激しい腹痛などの症状が出ている場合は早急な対応が必要ですし、アレルギー症状が出ている場合は医療機関を受診しておきましょう。

魚肉由来のアレルゲンは、パルアルブミンとコラーゲンが主要なものとされています。魚肉に含まれるタンパク質のうちコラーゲンは、魚肉アレルギー患者の約1/3が原因物質です。コラーゲンは獣肉にも含まれているものの、魚肉と獣肉のコラーゲンは構造が異なるため、一緒に除去する必要はありません。

カニカマは和食ブームにより、アメリカ、アジア、欧州と世界各地に広がっています。白身魚のアレルギーがある場合には、海外旅行先でも気を付けるようにしましょう。旅行先では、物珍しさから油断するケースもありますので、原材料確認には十分注意してください。

コラーゲンとゼラチンの違い

ここで、コラーゲンとゼラチンの違いについて簡単に整理しておきましょう。

ゼラチンはコラーゲンから作られたものであり、三重らせん構造のコラーゲンを加熱変性させ、分子をバラバラにさせた物質です。水溶性で、冷やすとゼリー状に固まる性質があります。

ゼラチンの多くは豚や牛から採取されており、一部魚由来の商品も販売されています。魚由来のゼラチンは、鱗や皮に含まれるコラーゲンを加熱抽出して製造されています。

なお、ゼラチンはアレルギー表示推奨食品の1つでもあり、由来原料の記載がないことが多いため、ゼラチンで体調に不安のある方は、由来原料も製造メーカーに確認しておきましょう。

また、食品だけではなく、市販薬、かぜ薬、サプリメントなどのカプセルや錠剤には、獣肉由来のコラーゲンや甲殻類由来のキトサンが使用されています。甲殻類やコラーゲンのアレルギーがある場合には、購入時には原料を確認しておきましょう。

今回紹介するメニューは「タンパク強化・豆腐スムージー」です。

これだけ猛暑が続くと、日頃食欲のある方でも食事量が落ち気味だという話を見聞きします。そのような時は、補食や水分補給時にも気を付けておきましょう。

このメニューでは豆腐をスムージーに使用し、タンパク質摂取量増強の底上げをしています。水菜と豆腐を組み合わせることで、カルシウムも豊富に摂取できます。

使用している果実のブルーベリーは、抗酸化作用の強いポリフェノールが数多く含まれており、夏バテ防止もサポートするドリンクです。元気を素早くチャージしたいときは、スムージーもお勧めです。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子