無塩、有塩、発酵…バターにも種類

バターにはいろんな種類があります。

無塩バター=文字通り、塩が含まれていないもの。そのため全体の塩味を自分で調整できます。一方で、保存性が低いのが難点。お菓子など大量にバターを用いる時に塩分量を気にしなくてもよいものに使われます。

有塩バター=塩が1~2%入っており、保存性が高いメリットがあります。味があるので直接パンに塗ったり、料理の風味づけに用いたりすることが多いです。

発酵バター=牛乳を乳酸菌で発酵させてから、バターにしたもの。乳酸菌の発酵過程をたどるため、バター独特な芳香やコクが加わります。独特な風味があるため、お菓子や料理にコクを出したいときに使われます。

こちらも牛乳同様、善し悪しでなく、どんな料理を作るか、用途に応じて選ぶといいでしょう。

バターとショートニングの違い

お菓子に使われるバターとショートニング。実は、原材料が違います。

バターは上記に述べたように牛乳の乳脂肪分を集めたもの。一方のショートニングは、液体の油に水素を付加し、工業的な化学反応をさせて常温でも固まりやすくなるよう加工したもの。

ちなみにショーンニングの語源は、「short-ing(短くさせるもの)」で「サクサクする」という意味があります。かつてのショートケーキは、今のスポンジケーキと違ってクッキーのような食感だったとか。

ショートニングに色と香りをつけたものがマーガリンです。マーガリンといえば、トランス脂肪酸が問題となりましたが、加工の際にどうしても生じるのがトランス脂肪酸です。ただし、問題なのは摂取量で、日本人が通常摂取する量では問題ないと言われています。

液体と固体の油の違い

油には、サラダ油、オリーブオイルのように液体のサラサラした油と、バターやショートニングのように常温でも固体の油があります。パイやパン作りには、常温でも固体の油を使いますが、その油には3つの性質があると言われています。

1、ショートニング性。ほろほろ、ふわふわ、口溶けがよくなる性質。
2、クリーミング性。バタークリームのように、空気を含んで体積を増やし、ふわっとさせる性質。
3、可塑性(かそせい)。パンのように好きな形を作れて、グルテンの柱に沿って薄い膜状に広がる性質。

油の特性をよく知り、調理に生かしてくださいね。