主な栄養素と無駄なく摂るコツ
野菜の中でも食物繊維がもっとも豊富で、水溶性食物繊維の「イヌリン」と不溶性食物繊維の「リグニン」「セルロース」をバランス良く含んでいます。イヌリンは血糖値の上昇を抑え、ビフィズス菌のえさとなってビフィズス菌を増やします。リグニンやセルロースは大腸のぜんどう運動を促すため便秘改善効果があり、またリグニンにはコレステロールの上昇を抑制する働きもあります。

その他、ビタミンB2、B6、カルシウム、カリウム、葉酸、亜鉛、マグネシウムも含んでいます。

ゴボウを切って水にさらすと、水が茶色くなり灰汁が抜けたように感じますが、この茶色の成分は「クロロゲン酸」というポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。水にさらすことで、水溶性食物繊維のイヌリンとともに溶け出してしまうため、水にさらさず調理する方が、クロロゲン酸やイヌリンを無駄なく摂ることができます。

また、皮の近くにクロロゲン酸やゴボウ特有の香り成分「セスキテルペンラクトン」が豊富なため、皮は包丁の背で軽く表面をこそげる程度にしましょう。

アルギニンやアスパラギン酸といったアミノ酸も含まれており、これらがうま味成分でもあります。汁物などはうま味が汁に移行していますので、汁も残さず飲みましょう。

クロロゲン酸は熱に弱く水溶性のため、加熱時間が少なく油を使ったきんぴらや天ぷらは、ゴボウのうま味や豊富な栄養素を効率良く摂ることができる調理法と言えます。

保存するなら
乾燥に弱いため、土付きのものは新聞紙などで包み、洗ったものはラップに包んで冷蔵庫に立てて保存します。土付きのもので1週間、洗ったものなら2~3日で食べきりましょう。

冷凍する場合は、ささがきなど使いやすくカットしてからゆで、保冷袋に入れて冷凍します。

【管理栄養士・今井久美】