色でポリフェノールの種類に違い
◆主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ブドウに含まれている糖はブドウ糖と果糖で、エネルギー効率が高く、運動後や体力低下時の栄養補給にぴったりです。酸は酒石酸とリンゴ酸が多く、皮には食物繊維やポリフェノールが含まれています。
含まれるポリフェノールの種類は、色によって違います。黒系ブドウは、「アントシアニン」「カテキン」「タンニン」「フラボノイド」などが含まれています。特に色素成分のアントシアニンは、ほかの色に比べて豊富です。品種によって含有量には大きな違いがあり、例えばカテキンの含有量は、ピオーネが巨峰の11倍です。
大粒の巨峰など皮をむいて食べるものは、軸と反対側に十字の切り込みを入れるとむきやすいです。巨峰のカテキンは、皮よりも実に多く含まれています。
赤系ブドウのポリフェノールは「アントシアニン」「カテキン」「フラボノイド」「レスベラトロール」などです。緑系ブドウには「レスベラトロール」が豊富で、「カテキン」や「フラボノイド」なども含まれますが、多くはありません。
ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、無駄なく摂取するためには皮ごと食べるのがおすすめです。緑系ブドウは皮が薄く、渋みも少ないため食べやすいですが、食べにくい場合はピューレにすると良いです。ポリフェノールは水溶性ですが、熱には強いのでジャムなどでも摂取できます。
期待される健康効果は、疲労回復、ガン予防、生活習慣病予防、眼精疲労改善、アンチエイジングなどです。
◆保存するなら
ブドウは日持ちしないので、なるべく早めに食べましょう。冷やし過ぎると甘味を感じにくくなりますので、食べる少し前に冷やすか、冷蔵庫に保管している場合は食べる少し前に出して常温に戻すとおいしく食べられます。
保存する場合は、ブルームを落とさないよう洗わずに、房のまま、またはハサミで小果柄(軸)を少し残して1粒ずつ切り、キッチンペーパーなどで包んでからポリ袋や密閉容器に入れて野菜室で保存します。小果柄を付けておくことで水分などの蒸発を防げます。
冷凍する場合は、切り離した後洗って水けをきり、保存用袋に入れるか、ピューレにします。他のフルーツと一緒に凍らせてもおいしく食べられます。1カ月以内に食べ切りましょう。
干しブドウやジャムも作れます。
【管理栄養士・高木小雪】