次亜塩素酸ナトリウムや加熱で死滅

ノロウイルスにはワクチンがなく、罹ったとしても抗ウイルス薬がなく、点滴などの対症療法が中心となります。家庭で療養する際には、脱水を防ぐために水分と栄養補給をこまめに行いましょう。下痢止め薬は回復を遅らせることがあるので、使用する場合は医師の指示を受けましょう。

コロナ禍でアルコール消毒を日常的に行うようになった昨今ですが、ノロウイルスに対しては有効とは言えません。殺菌するには、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使いましょう。掃除や衣類の消毒には次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用塩素系漂白剤を水で薄めたものを使い、キッチン周りも塩素系漂白剤でのこまめな殺菌が有効です。

また、ノロウイルスは加熱することで死滅するので熱湯消毒も有効です。食材を加熱する際は85℃以上で90秒間、中心部までしっかり火を通してください。

手洗いを徹底、正しく適切に

もっと基本的な予防、対策として有効なのは「手洗い」です。手洗いを正しく、適切なタイミングで行っていれば、手に付着したウイルスは洗い流すことができ、口に入ることがありません。帰宅時、トイレの後、食事の前、調理前や調理中など、衛生的な手洗いを行う習慣をつけましょう。調理をする人だけでなく家族全員、こまめな手洗いを徹底しましょう。

衛生的な手洗いの仕方

日本食品衛生協会による正しい手洗いのリーフレット(厚労省のHPより)
日本食品衛生協会による正しい手洗いのリーフレット(厚労省のHPより)

(1)流水で洗う

(2)ハンドソープを手に取る

(3~8)順にこすり洗いする
手のひら、指の腹面→手の甲、指の背→指の間(側面)、股(付け根)→親指、親指のつけ根→指先→手首(内側・側面・外側)の順で洗う。

(9)ハンドソープを十分な流水でよく洗い流す

※(2)~(9)までを2回繰り返すとより効果的。

(10)手を拭き、乾燥させる(使い捨てペーパータオルなどがベター。通常のタオルの場合はこまめに取り替える)

(11)アルコールによる消毒

衛生的な手洗いをすることで、新型コロナウイルス、インフルエンザなどの感染症や他の病原微生物対策にもなります。

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