夏場のスポーツ活動において、熱中症対策は大変重要です。一般の方にとっても今年は猛暑日が多いため、メディア等でも連日注意喚起がなされています。

特に子どもは、同じ環境下でもリスクが高いと言えます。その理由として、汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していないこと、さらに、体重当たりの体表面積が大人より大きく、深部体温が上がりやすいことがあげられます。そのため、スポーツをすると体温が上昇しやすく、また低下させにくいということになります。

子どもたちの多くが水分不足

体温調節の働きとして重要になるのが体内の水分です。体温が上昇したら汗をかくことで体表面から熱を外に逃がすことで体温を下げています。汗をかくには、スポーツ活動を始める前に、水分を十分補給している状態が望ましいのですが、子どもたちの多くは体水分状態がやや足りていないという報告もあります。

このことは私自身も普段の活動において感じることがあります。例えば、涼しい時間帯の朝早くに練習をするときに、朝食を食べていない、起床から朝食までの間に水分をとっていないなど、活動開始時点で水分不足ということを保護者や指導者から聞くことがありました。

こうした状況を踏まえると、スポーツ活動中の水分補給はもちろん、日常的にもこまめな水分補給を促し、またその重要性について子どもたちにも伝えていくことが重要です。

子どもに水分補給の重要性を伝える理由

2024年8月に日本スポーツ協会は、夏のスポーツ少年団活動の暑熱対策・安全管理に関する注意喚起の発信をしました。
https://www.japan-sports.or.jp/club/news/tabid886.html?itemid=4997

スポーツ少年団活動向けに発信していますが、子どものスポーツに関わる方にとって参考になる情報がまとまっているのでご覧になってみてください。

また、スポーツ活動中の熱中症予防や、症状が起きた際の対処方法など、漫画にまとめられているので、子どもと一緒に確認するのも良いでしょう。
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid1437.html#digitalbook

熱中症の症状が出てからでは手遅れになるケースもあります。スポーツの活動中、指導者が水分補給の機会をつくることだけでなく、子ども本人が補給するという意識も大切です。「どうして熱中症対策が必要なのか」については、様々な資料媒体なども活用するとよいでしょう。

「水+ミネラル」の補給ができるスポーツドリンクの準備や、万が一症状が出てしまった場合の冷却グッズの準備など、適切な対策を講じるための環境整備は大人の役割です。子どもも大人も熱中症の症状やその危険性について確認し、十分な対策をした上で、安全・安心に楽しくスポーツ活動を行いましょう。

今回紹介するレシピは「夏野菜の中華マリネ~アレンジそうめん」です。夏場の食欲低下を起こしやすい時期にさっぱりと食欲をそそる、彩りの良いメニューです。

夏野菜は水分を多く含むため、食事からの水分摂取にもつながります。作り置きしておき、茹でたそうめんにマリネとツナをトッピングして、ピリ辛にラー油をかけて食べるのもおすすめです。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美