バレーボール選手に多い膝、腰、肩のケガ
ユウちゃん よくお母さんから、現役の時にケガをして苦しんだという話を聞くんですが、バレーボール選手に多いケガってどんなものがあるんですか?
尾澤 バレーボールは、ジャンプしながら力強いスパイクやブロックをする全身運動だから、膝だけでなく腰や肩をケガする選手が多いかな。吉田トレーナーにも聞いてみようか。
吉田トレーナー ユウちゃん、こんにちは。さっき聞こえてきたけど、新人戦準優勝したんだってね。おめでとう!
ユウちゃん ありがとうございます! 次は優勝目指して頑張ります。
吉田トレーナー バレーボール選手のケガで代表的なのは、ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)、肩関節障害、腰痛。いきなりなるというよりは、同じ動作の繰り返しで筋肉を使い過ぎることで、腱や靭帯に負担がかかり、だんだんと痛くなっていくんだ。動きの癖も影響するけれど、予防としてストレッチを十分に行う必要があるね。
ユウちゃん 全身のストレッチが大事なんですね。お母さんも靭帯を痛めたことがあると言っていました。腱や靭帯に良い食べ物とかあるんですか?
尾澤 まずは、エネルギーをとることが前提になるよ。さっき「こっそりご飯を減らしている」と言っていたけど、お母さんも考えて作ってくれているから、減らさないようにね。
ユウちゃん はい。
尾澤 その次に、筋肉や腱・靭帯の主な材料になるタンパク質をとること。靭帯や腱の主成分になるのはコラーゲンだけど、コラーゲンはタンパク質がアミノ酸に分解されて再合成されるものだから、タンパク質をふんだんにとることが大事だね。ちなみに食品だと、牛のアキレス腱の牛すじや骨付き肉の骨の周り、魚の皮にも含まれているよ。
ユウちゃん タンパク質、コラーゲン…。
尾澤 あと靭帯や腱の弾力を保つためにコンドロイチンも押さえておこう。
ユウちゃん コンドロイチンって何ですか?
尾澤 コンドロイチンは関節周りの潤滑油のような役割をもつ成分で、これが少ないと関節を痛めやすくなるんだ。食品ではネバネバしたもの、納豆やオクラ、海藻に多く含まれるんだ。
ユウちゃん 納豆ごはんは好きですが、今まで意識して食べたことなかったです。ネバネバ食品も注目してみます。
尾澤 特に納豆は、タンパク質もカルシウムも含む優秀食品。他の競技のアスリートにも大人気の食品なので、これからは是非意識してとろうね。
カルシウムは牛乳だけじゃない
ユウちゃん 納豆はカルシウムもとれるんですね。私、牛乳を飲むとおなかがゆるくなってしまうので、牛乳以外からカルシウムをとれるものがあると知って良かったです。
尾澤 牛乳以外の乳製品、ヨーグルトやチーズなら食べられるかな? カルシウムの吸収率は乳製品が一番良いから、試してみてね。カルシウムは納豆のように大豆製品にも含まれているし、青菜にも含まれているよ。
上の図を参考に、カルシウムを多く含む食品をとるのとともに、その吸収をサポートしてくれるビタミンDも一緒にとろう。中でも、今が旬のサケは特に豊富だよ。
ユウちゃん サケは大好きです。
尾澤 ビタミンDは、紫外線を浴びると体の中でも作られるんだけど、バレーボールのように室内競技の選手は、屋外競技の選手に比べて日光を浴びる時間が少ないから合成される量も少なくなるんだ。だから食品から意識してとってもらいたいね。
ユウちゃん えー、全然知りませんでした。帰ったらお母さんにも教えます。
吉田トレーナー バレーボール選手として活躍するためのカラダ作りやケガ予防について、色々な栄養や食品の知識が得られたね。日本代表の選手も、体力が落ちるのを防ぐために食事をしっかりとっているよ。今のうちから食習慣を整えておこう。
今回は、秋の食材を使った「鮭と里芋の炊き込みご飯」を紹介します。
このレシピは、鮭からカルシウムの吸収を助けるビタミンDがとれる炊き込みご飯です。コンドロイチンを含むネバネバ食品の里芋も一緒に炊き込み、ホクホクとした食感でおいしい秋を感じさせる一品です。
おにぎりにして補食としてとるのもおすすめです。
(参考)公益社団法人 日本バレーボール協会HP 怪我の予防と対処