女子向けに栄養だけでなく彩りを意識

この日のメインはキノコソースがかかったチーズ入りの豆腐ハンバーグ。寮ができた14年前からの人気メニューだ。ささみとキュウリのサラダと仙台みそを使ったチゲスープ、ヨーグルト、フルーツ。

この日のメーンはキノコソースが決めてのチーズ入り豆腐ハンバーグ。女子向けに見栄えも重視しています
この日のメーンはキノコソースが決めてのチーズ入り豆腐ハンバーグ。女子向けに見栄えも重視しています

「栄養はもちろん、女の子向けなので彩りを特に工夫しています」と食事担当の百合夫人が教えてくれた。古川学園では「体脂肪率22%」をめどに自己管理を促しているが強制的なものではない。

百合夫人が家庭的な雰囲気をモットーに、きめ細かい工夫を施している。部は全寮制で県外の選手が多いため、作ったメニューをSNSのタイムラインに公開。「こんなものを食べていますよ」と保護者に知らせ、好評を得ている。

調理する百合夫人。食堂では家庭的な雰囲気を大切にしています
調理する百合夫人。食堂では家庭的な雰囲気を大切にしています

黒いインゲン豆を使ったキューバの郷土料理も

メリーサに対しては「希望も聞きつつ、でも、好きなものばかりに偏らないように」と気を付けながら、黒いインゲン豆を使ったキューバの郷土料理を作ることもある。選手たちの異文化教育につなげているそうだ。

元看護師の知恵を生かし、春高バレーの大会中はインフルエンザ対策用に消毒スプレーを自作し、選手たちに配った。今では「ただいま」の声だけで選手の体調や心の様子がわかるという。3児の母でありながら、多感な高校生に心くばりをする百合夫人に岡崎監督は「感謝しかないですよ ! 」と頭が上がらない。

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